
会社設立したものの、実際には理想と現実がかけ離れてしまい、結果的に収益化が一度もできずに経営そのものを諦めようかと考える人は少なくありません。

脱サラした人は挫折しやすいと聞きますね。
それでも、1人会社は一般的な複数のスタッフが在籍する会社と比較すると、収益幅はそれほど大きくないものの、収益そのものはしやすい会社形態なのです。



収益幅が小さいのに収益化しやすいってどういうこと?
しかし、1人会社では、1人でできることを業務としていくつも組み入れることで、長期的に安定した収益性を構築できるようになります。
それでも、そのメリットを得られないのは、経営するにあたっての基本的なことができていないと言えるでしょう。



まずは1人会社の収益化の基本を学習しないとですね。



私もじっくり学んでみようかな。
1人会社で収益化するための基本


経営者名義業務でもきちんと会社売上にすること
1人会社を経営する上で気を付けるべきことは、経営者名義で発生した業務収入(給与を除く)であっても、会社の収入として計上することです。
業務によっては、契約を経営者名義で結ばなければならない場合もあり、売上金を受けることも確率ゼロではありません。特に、海外から受ける業務はこのパターンが多くなるでしょう。



経営者名義での売上金受取にも対応するということですね。
もちろん、会社は事業目的に挙げている項目に関連するものしか売上金とは見なされないので、会社登記時に決める事業内容をできるだけ具体的に設定しておくことは必須となります。
また、金融機関から定期的に来る個人口座の活用目的確認に対しても「事業用」として明確に宣言しておきましょう。



きちんと目的を明確にすることが必要ね。
ただし、この場合、個人名義の銀行口座を2つ用意し、1つを経営者用、もう1つを純粋な個人用としてきちんと分けることが重要となります。なぜなら、経営者個人が受け取る給与などは、経営者用の銀行口座には当然入金することができないからです。



公私混同は厳禁ですね。
もちろん、会社の事業用に使う経営者名義の口座の入金記録は、きちんと仕訳をすることで最終的に決算にも反映させなければなりません。そのため、純粋に個人の給与受取口座を使って処理することは、税務署から厳しく指摘されるので絶対にNGです。



これはとても重要なことね。
時間・場所を問わず業務を実行すること
せっかく1人で進める経営。やはり、いつでもどこでも業務ができる体制を作ることが重要です。これは、長時間業務を遂行することを目的とするのではなく、経営者自身が精神的余裕を持つために必要なことだと言えるでしょう。



1人だからいろな場所で仕事したいですね。



どこでも仕事ができるのは理想ね。
格安のものでも構わないのでタブレットPCを1台持っておくと便利です。EXCELやWORDもタブレットで使えることから、結果的に1日の時間を有効的に活用できるようにになります。
また、出張の折に、自分の車の中でも、空港のラウンジでも人目をはばからずに使えることから、大ききすぎず、小さすぎないタブレットPCは1人社長にとって必須と言えるアイテムなのです。



普通のノートPCは意外に場所を取ってしまいます。



スマホ感覚で使えるのがいいね。
売上を業務代行だけに頼らないこと
1人会社を自分のペースで安定的に運営していくには、顧客の代行案件だけに頼りすぎるのは避けるべきです。例えば、記事執筆や翻訳などは、現在多くの企業が業務委託を進めていますが、長期的に言えばこれほど不安定な仕事はありません。



業務代行はどうしても不安定になりますね。



すでに全体的に単価が下がり続けているものね。
その場合、長期的な1人会社の経営でぜひ考慮したいのが、オリジナルのサービスをできるだけ早く構築するということです。
つまり、誰かの仕事の一部を会社として請け負うことではなく、会社が主体となって独自コンテンツを提供できる体制を作ることを意味します。



私たちの会社も最終的にはオリジナルで勝負したいです。
最初の内は業務代行専門でも構いませんが、最終的には自らの付加価値を付けたサービスを直接提供するようになり、究極的には逆に他社にサービスをサポートしてもらう立場を目指すべきなのです。



すごく難しいことね。
もちろん、どんな会社でもオリジナルのサービスをゼロから構築するというのは決して簡単なことではありません。
しかし、世の中には人手を駆使してサービス構築することもあれば、1人でできるからこそ成り立っている独自のサービスも存在しています。
1人会社で収益化するための業務の工夫


1つの大きい業務だけに集中しない
会社を経営する者の立場とすれば、収益幅の大きい業務を一度掴むとそれを永久に安定して継続したいと思うものです。
しかし、大きな会社でさえも、よほど何らかのコネで利権を握っていることがなければ、それを実現することはとても難しいでしょう。



会社は業績がいい時ばかりではないですからね。
そのため、1人会社を立ち上げた際には、まずは収益幅が少なめの業務を多くこなすことが、最も典型的な運営スタイルとなります。
また、収益幅が大きい業務は、その遂行のために1日の時間の大部分を費やさなければならないことがほとんどで、全くプライベートの活動ができない経営者も多く存在します。
そして、このような業務は、いざその業務が会社で受けられなくなった場合に、一気にキャッシュフローの悪化を招いてしまうこともあるでしょう。



収益幅の大きい業務は意外にリスクも大きいね。
黒字倒産という言葉をご存じでしょうか?十分な売掛金があるのにもかかわらず、給与支払いや経費の引き落としなどに必要な繋ぎ資金が不足しているために、本来の業務を進めることができずに倒産してしまう状態を指します。
そして、この黒字倒産は、収益性の高い業務に頼る企業ほど意外に陥りやすいと言われ、現金主義を取っていない日本の企業ではよく見られる傾向なのです。
支払サイクルの短い業務を多く選ぶ
会社にとって非常に重要なのが「資金繰り」。同じ金額の収入でも、資金が毎月の経費の引き落とし前に入金されるとそうでないのとは雲泥の差です。
脱サラして会社設立したばかりの人は、認識されていない方も多いようですが、会社経営者はこの資金繰りと常に向き合わなければなりません。



収入がトータルで同じでもタイミングがずれると大変ですね。



資金繰りが苦手な経営者は意外に多いと聞いたことがあるよ。
その場合に、支払サイクルの短い業務を選ぶことは会社として非常に重要となり、特に資金力に乏しい1人会社では常日頃からの業務選定は避けることができないでしょう。
必要な時にできるだけ確実に資金を得るようにすることは、会社の資金リスクを最小限にするために必須事項なのです。そのため、資金繰りは長期計画を策定しなければなりません。



とにかく引き落としミスを防ぐことが大事ですね。



一度傷がついた信用は取りもどすのが難しいね。
顧客のサービス提供を第三者に仲介する
1人会社を生涯に渡って継続していくこと。おそらく、1人社長の方の多くがそのように目標を持っていることでしょう。
実のところ、1人で会社経営するという立場において、非常に有利に作用するのが顧客のサービスを仲介するという流れです。



日本には良いサービスが溢れていますよね。
しかし、日本には非常に多くの良質なサービスが存在している一方で、販売がなぜか上手く行かない会社も存在しているのです。そのため、顧客サービスを第三者に紹介することに対して常に大きなニーズがあります。



良いサービスも知られなければ意味がないね。
紹介の進め方次第では、自分のビジネスにも相乗効果を生み出してくれるケースもあり、独自のマーケティング手法を確立することが求められます。
また、仲介が必要なサービスはどんどん新しいものが出てくることから、長期的にも商材に困ることもないのです。



特定サービスのマーケティングにこだわる必要はありませんね。



ネットでのマーケティングは可能性が無限ね。
収益化の長期実現に必須となる概念


既存リソースを徹底活用する
日本人は実に新しいモノ好き。そして、経営者の多くもそうです。しかし、本当に優秀な経営者が新しいモノ好きとは限らないだけでなく、基本的に現在持っているモノをとことん使い倒すという意識が大きいでしょう。



実際に新しいモノが良いとは限らないですよ。



良いものを見極められない人が衝動的に新しいモノに走る感じ。
現在、さまざまな製品で頻繁にモデルチェンジが起こりますが、結局は新しいモノ好きの人から資金を多く得るためだけの手段となっており、多くの日本人はそのワナに見事にハマっているようです。
実のところ、多くの人間が、良いモノを持っていてもそれを完璧に使いこなすことができない状態であり、その結果、それを使えないと勘違いすることで新しいモノを求めてしまう傾向にあります。



良いモノを持っているのに使いこなせないのは悲しいですね。
しかし、優秀な経営者は、モノの活用を極めることから、既存のあらゆるモノに対して高い費用対効果を見出せるのです。



逆にそれをコントロールできる会社は勝ち組ね。
1人会社は、既存のリソースを使って業務を効率化し、業務の目的を達成することで収益を維持でするという非常に基本的な業務方向性を持っています。まず、既存のリソースのポテンシャルを再確認しましょう。
無料サービスで業務補完する
1人会社で業務をする場合、なぜか多くの経営者は最初から包括的な有料サービスを使って効率化を図ろうとします。
しかし、現在、ビジネスに活用できる無料のサービスは非常に多く、使いようによっては有料サービスと比べても遜色がないものも多いのです。



1人会社だからこそ無料にこだわるべきですね。



有料サービスは使うのに無料メール使う人もいるよ。
結局のところ、とりあえず有料のサービスを意味もなく活用している経営者も多いようで、このような根拠のないサービス利用が、1人会社では最も無駄な、そして最も危険な傾向なのです。
そのため、基本的に自己の努力で業務の効率化がどうしても成し遂げにくい場合であっても、無料のサービスを工夫して活用しながら業務を補完するという心がけをしてください。
経費に対して常に疑問を持つ
また、意外に多くの経営者に不足しがちなのが、経費を使うことに対して疑問を持とうとしないことかもしれません。
上に述べた無料のサービスの徹底活用にも繋がりますが、多くの方は大切な資金を使ってしまってから後悔することがほとんどです。



人間って弱いからすぐ資金を使うんですね。
実際、1人会社では財務に対する監査機能が利きにくいことから、支出のかなりの部分が無駄なものになってしまう危険性も低くないのです。そのため、1人社長はこの部分をとりわけ意識しなければなりません。



私も人のことは言えないけどね。
1人社長は、偶然でも一時的に儲けてしまうと経費を多く使いがち。特に、設立して間もない会社であればあるほど、このような状況に陥りやすくなります。



経営のサイクルをまだ理解していないからそうなるんですね。



多くの会社が短期間で倒産するわけだ。


収益化とは経費節減の繰り返し
経営していると、収益化はどんどん業務をこなすことだけがとにかく重要だと思いがちですが、実際はもう少し複雑に考えるべきでしょう。
なぜなら、実際の収益化というものは、攻め(業務拡大)と守り(経費節減)をいかにバランスよく繰り返すことができるかが最も重要になるからです。



収入を得てもそれ以上に無駄に支出すれば意味がないですね。
例えば、大企業の社長であっても、自分の出張費を徹底して低く抑えるように心がける方もまだまだおられます。
それは、簡単に言えば、1度の出張にいくら費やしても得られる効果はそれほど変わりがないことを経営者本人が理解しているからです。



1人社長だからこそ何より注意すべき部分ね。
1人会社にとって経費節減は日常業務であると言っても過言ではなく、これを進めることで、いかに自社に無駄な費用が多かったか初めて実感する会社も多くなるでしょう。



普段から経費節減してれば問題化もしないですね。



手遅れにならないように早めの処理が必要ね。
経営者の多くは費用分析そのものを財務部門にすべて投げがちですので、自ら実態を把握をしようとしない態度を今からでもすぐに改めるべきです。
【1人会社で収益化するための重要事項】のまとめ
1人会社の収益化は、1人社長による孤独な作業です。そのため、最低でも以下のような流れは確実に押さえておくことが求められます。
委託業務案件、または独自サービスを問わず、重要なのは時間や場所に関係なく業務をすすめられることです。1人であるからこそ、自分が持つ基本的なリソースは無駄にしてはいけません。
1人会社では資金繰りが特に重要です。収益幅の大きい業務でも、売り上げ回収が遅いものが多くなると、時として黒字倒産を招いてしまいます。
業務効率化のためにサービスを利用することもありますが、基本的に無料サービスを利用すべきです。経費に常に疑問を持つことで、収益化を安定させなければなりません。
実際、このような基本的な流れをできていない経営者は大変多いものです。1人会社を作る前にはきちんと理解しておきましょう。