
近年は、長らくサラリーマンとして勤務された後、会社を設立して経営者として活動したいと望む方が増加中です。当方のサイトだって、そんな方たちのために様々な知識を提供しております。
しかし、当方が推奨する1人会社のような小規模経営であっても、やはり、経営者として運営していくためには、それなりの適性が要求されるのも事実です。

その通りですね。
その適性を判断する1つの大きな指標として、「経営者脳」と呼ばれるものがあるでしょう。これは簡単に言えば、サラリーマン脳の正反対にある脳概念と言うことができます。



経営者としての能力?
今回は、この「経営者脳」について、当方による独自視点からお話をしながら、それをいかに身に着けるかという部分にも触れていきましょう。
会社経営に求められる経営者脳とは?


まず、分かるようで分かりにくい「経営者脳」についてのお話。パッと見ると単に経営者としての能力に見えますが、ちょっとニュアンスが異なっています。ここでは、当方が考える1人会社に必要な「経営者脳」について、大きく2つに分けて解説しましょう。
すべてを会社業務として処理ができる発想力
まずは、経営者脳の最も基本的なものと言えば、あらゆる業務を会社の業務として処理するという発想。つまり、1人会社で進めるということは、傍から見ると個人として業務を進めていながら、実際は会社として業務遂行している状態を意味します。
重要なことは、この心構え。たとえ、1人だけの会社であっても、会社の一員として業務を行う意識を持つということなのです。
しかし、この意識をきちんと持つようになると、自分の会社に必要なのはどんな業務かと言う部分も冷静に頭の中で発想できるようになるでしょう。



会社としての業務発想力ですね。
一方で、1人会社の経営者は、この考え方を意外に忘れがち。経営者自身もより自由度が増す分だけ、個人業務として遂行している感覚につい陥りやすくなってしまいます。



確かに視点が大きく違うからね。
この認識は非常に小さなことに思えますが、認識ができるかできないかによって、会社運営の出来が大きく変わってきますので注意するようにしましょう。
経営者個人が結果的にメリットを得る運営力
また、経営者脳のある経営者は、とにかく会社の成果を経営者個人のメリットへと間接的に繋げる運営管理を進めるのが上手です。
例えば、自宅に会社登記し、自宅の一部を会社事務所として活用するとともに、さらに別の一部を倉庫などのスペースとして誰かに賃貸するといった管理手法。



おー、なるほど。



業務上の延長というのがミソね。
経営者自身は、直接的には業務からのメリットは得られないけれど、会社がそれを合理的にもたらしてくれる。この部分は、経営者が少ない資本を活用して会社経営する上で絶対に欠かせない運営力に他なりません。
サラリーマン脳から経営者脳への改善法


さて、次に、いよいよ「経営者脳」をいかに身に着けるかというお話。多くの方はお分かりになると思いますが、サラリーマン脳と経営者脳は全く異なるものです。
そのため、サラリーマンでは当たり前であった思考回路を、経営者に適したものへ改善することはそれほど簡単なことではありません。しかし、ちょっとした工夫によって改善できるようになることもあるでしょう。
会社用の財布と個人用の財布を分ける
サラリーマンから経営者に変わる際、まず進めるべきなのは、会社用の財布と個人用の財布をしっかり分けること。つまり、会社と個人の資金を公私混同しないためです。



ここまで徹底するんですね。
これは個人と法人をキッチリ区別するための明確な行動でもあり、経営者としてのケジメをつけるためのものでもあります。逆に、これができなければ、経営者としての適性に疑問が付くことにもなりかねません。



経営者としての1つの通過点かも。
実際に、税務署などは、会社資金の私的な流用には非常に厳しいことから、この部分は決して侮ることはせずに意識したいものです。
年間役員報酬を絶対的に低く設定する
また、会社を設立してサラリーマン脳を一気に改善する重要な考え方が、自分に支給する役員報酬を徹底的に低くするということ。
サラリーマン的な考えだと、個人的に受け取る報酬は多く設定しがちですが、1人会社の経営者としては役員報酬を低く設定すること第一に考えなければなりません。



会社のために何ができるかという視点がここにもあります。
そして、この考え方が自然に頭の中に浮かぶ人は、すでに経営者脳がほとんど構築できている状態。なぜなら、こうすることで、会社の固定費が減ることとなり、経費として使える財源が確保できるからです。
しかし、この考え方も、経営者としてはごく当たり前のことですが、会社設立時にはどうしても理解できない人もいるはず。



まずは理解しないと始まらない。
そのため、とりあえずは、こういうものだと認識するようにし、意識的に役員報酬をあえて極端に低く設定してみるよう努めましょう。その後すぐに、その重要性が理解できますし、経営者脳もスムーズに身に付くきっかけとなってくれます。
経営者脳を維持することは実際難しい


しかし、たとえ経営者脳を身に着けても、それを維持することはもっと難しく、それには経営をしていく中でも、いろんな落とし穴があるからです。その大きな要因として、以下の2つ点が挙げられるでしょう。
一時的にでも儲けると個人資金だと勘違いする
まず、特に、スタートアップした経営者の多くが陥りやすいのが、一時的に儲けてしまうと、それが永遠に続くような錯覚に陥ってしまうケース。その上で、それらの資金を個人的なものと同等だと勘違いしやすくなる傾向にあります。



これは危険ですね。
メディアなどで、経営者による資金流用のニュースが毎日のように耳に入るのは、かなりの確率で、会社資金に対する認識的な麻痺が経営者に発生しやすいということでしょう。



個人でもよくあるね。
この流れは、人間の欲から生まれる典型的な現象であると同時に、ベテランの経営者であっても常に注意が求められる部分となります。
安易に融資を受けようとする経営者が多すぎる
また、経営者脳を崩しやすい、もう1つの事情と言えば、融資ありきの経営をやりすぎるということ。多くの経営者を見ていると、金融機関などから融資を受けないと経営できないと思い込んでいる節があります。
その一方で、短期間で返済ができないと声高になる経営者も決して少なくなく、傍から見れば、そもそも何か別の目的で融資を受けたのではないかと勘繰りたくなることさえもあるわけです。



融資返せないのはこの認識が原因かもですね。



現金を手にすると無意味に安心してしまう感じね。
経営者脳の維持に必要なことは、まず自己資金で進めることが前提。そして、自分のできる範囲で業務を展開し、少ないリスクで結果を出すことが重要です。しかし、実際はこれを忘れてしまい、経営者脳を徐々に失っていくケースも多いでしょう。
まとめ
例えば、今では、芸能人やタレントも、最近はある程度知名度が高くなると、個人事務所という形で法人化するケースも少なくありません。



確かに多いですね。
彼らも比較的大きいプロダクションに在籍していれば、一定期間、仕事は来るかもしれませんが、マージンの問題や自分のペースで仕事ができないことは大きなデメリットの1つ。そこで、彼らの多くは独立したいと考えるわけです。
それでも、芸能活動を通じて一定の経営者脳が身に付いた芸能人であれば、個人事務所名義で仕事を受けることも可能になり、芸能関連とは畑の違うジャンルに挑戦することも考慮できるはず。



逆に個人事務所で成功する芸能人は見事ね。
独立してマルチに活躍することを志向する彼らの成功と失敗も、やはり経営者脳が身に付いているかどうかにかかっていると言えるでしょう。