
将来的には世界的な問題になるともいわれる少子化。一般的に少子化は経済が発展するほど進んでいくとされていますが、その中で、近年では日本でも社会問題になりつつあるのが親の介護問題です。
現在日本では、少子化以外にも核家族化が進んでいることもあって、親の介護にかかわることが難しい日本人も相当存在します。

私はまだいいほうかも。
自分で介護ができないのであれば施設に入ってもらえば良いという意見もありますが、入居にかかる費用はもちろん、親自身が施設への入居を望んでいない場合もあって、事情は周りが言えるほど簡単なものではありません。
しかし、だからと言って、子の世代がすべてを背負うのはあまりにも負担が大きく、いかに介護をしないですむかという視点を持つようになるわけです。



結構難しい問題ね!
今回は、親が介護状態にならないために、事前にどのような準備をすべきかについて、10つの行動パターン例をご紹介し、その根本にある方向性についてもチェックしていきましょう。
親が介護状態にならないための準備


他人の親が介護状態になっているのを実際に見ると、自分の親だけはそうならないようにしたいという気持ちが働くのは当たり前のことです。



私もその気持ちが強いよ。
そんな中で、同じような年代の高齢者であったとしても、健康状態に大きく差があり、全く介護を必要としない方も実際にいることも事実でしょう。



意外に元気なお年寄りを多く見かける。
しかし、このような高齢者の多くは、介護状態にならないように実際に努力をしているか、家族のサポートによって維持されているかのどちらかであることも多いのです。ここでは、親が介護状態にならないようにするべく、家族が積極的にとるべき行動を見ていきます。
健康に良い適切な情報を常に教える
まずは高齢者にとって一番欲しいのは健康に関する適切な情報です。毎日テレビを見ることの多い高齢者にとって、テレビからの情報だけが正しいと思い込んでいる状況は決して珍しくありません。



私の両親もテレビばかり見てるよ。
また、テレビの情報はネット情報の受け売りであるものも少なくなく、最初からネットから多くの具体的な情報を得ることがむしろ効率的であることも多いのです。



テレビは偏った情報も多いね。
つまり、本来であれば、高齢者だけでは普段知りえない重要な健康情報について、家族を通して得られることになれば、結果的に介護状態を予防できることにつながっているでしょう。
公的サービスでリハビリさせる
高齢者は自分で運動しようと思ってもできず、一般的に家族が一緒に運動するように仕向けても成功しないことが多いですし、なおかつ継続的に進めるなどかなり難しいことです。
しかし、介護状態に陥る高齢者の多くは、一見健康的な方であっても定期的な運動をしていなかったことも原因としてかなり多くあります。
特に大きなきっかけとなるのが脳梗塞や足腰のケガなどをした場合。通常であれば、病後はいっそう運動をしなくなるので、一気に介護状態のリスクが高まりやすいのです。



高齢者は元々動きたがらない人も多いよ。
それでも、日常的にも歩行などがおぼつかない状態であれば、介護保険制度をあえて適用させるということもできます。



これは役に立つ方法ね!
このリハビリは事実上、エクササイズであることから、高齢者の介護予防を目的とする定期的な運動に代えることができ、送迎サービスのある公的サービスを利用することでかなりの確率で成功しやすくなります。
毎日両指を十分に使う流れを作る
そして、意外に重要なのが両指を毎日十分に使うということ。指の運動は脳の活性化を進めるのにも非常に効果的なのは誰もがご存じのはず。



うちはまさに食事かテレビのリモコン使うときだけよ。
これにより、家族を含めた周りの人間は、指を意識的に動かすような流れを多く作ってやるだけで、十分な介護予防となってくれます。
例えば、お風呂の掃除は最も適しており、物を掴む作業があるだけでなく、足腰を多少なりとも動かさなければならないので予想以上の効果を発揮するのです。



本人が意識していないと大変そう!
定期的に書籍を購入してやる
高齢者が介護状態、特に認知症を伴った状態に陥るか、陥らないかは、定期的に読書の習慣があったかどうかによっても大きく左右されると言われます。



うちの両親はよく本を読んでるけど。
活字を認識する能力は、認知能力にそのまま直結することから、普段から読書をしない現代人は、高齢化すると認知症になりやすいと危惧されることもあるのはこれが理由でしょう。
よって、若い世代からすれば親世代だけの問題ではなく、自分自身が将来的に抱えるかもしれない部分でもあるわけです。



今の若い世代のほうが問題はより深刻かも!
孫や小さな子どもと触れ合わせる
そして、親と離れて暮らしている子供世代であれば、定期的に孫の顔を親に見せるということも非常に有意義です。親世代にとって、孫と触れ合うことができるという行為は大きなステイタスであり、何事にも代えられない喜びとなります。



だから早く結婚しろって言われるのか。
当然ながら、高齢者が健康的に長く生きたいというモチベーションにもつながり、介護状態の予防には想像以上の効果を発揮してくれます。
また、親が高齢者施設に入所しているパターンであっても、月に1、2回は孫を連れて会いに行くなどすれば健康維持に役立ち、施設側もこの点は歓迎してくれる部分でしょう。



まだ相手もいないので今は無理ね!
好きなものを適量に食べてもらう
高齢化すると、それまで旺盛だった食欲も落ちていくのは当然のこと。しかし、だからと言って、食事を摂らないとなれば健康悪化につながりかねません。
基本的に食べる行為も咀嚼の作用により、脳の活性化に繋がるので大変重要なことなのです。しかし、ここで忘れがちなのが、「好きなもの」を定期的に適量に食べてもらうことです。



年齢を重ねても好きなものは好きだし。
好きなものを食べられることの意義は想像以上に大きく、何より毎日の生活における自己肯定感がかなり強まるとされます。



脳にも良い影響を与えるのか!
もちろん、若い人のように、好きだからと言って多くの量を食べる必要はないですが、定期的に食卓出したり、贈り物として持参していったりするなど、子供世代が親の好きなものを常に意識しているというプロセスを重要視したい部分でもあります。
墓掃除などを積極的に請け負う
多くの方が高齢化によって心配が募っていくのが、先祖が眠るお墓の掃除。実際、日本では定期的な墓参りが負担になっている若い世代も多いことから、最近ではお墓そのものを閉じてしまう、いわゆる「墓じまい」を進める家庭も少なくないのです。



これはちょっと大変だね。
そのため、子供世代が墓掃除をしっかりと担うことは高齢化する親世代の精神衛生にとっても大変良いことです。



今から真剣に考えておかないと!
もし、親の介護を予防するという思いがあるのであれば、親の懸念事項になりやすいお墓の管理をしっかりと進めるのがベストと言えます。
タクシー代わりに車の運転をする
日本のどのエリアに住んでいるかを問わず、高齢化によって利便性が著しく損なわれやすい事情が交通手段かもしれません。



これはうちも他人事ではないね。
特に、掛かりつけの病院への通院なども、それまではマイカーを運転することで済んでいたのに、バスやタクシーを使わなければならなくなったというケースはかなり多いのではないでしょうか。
そのため、子の世代が必要な時に車を運転して、必要な場所に連れていくという行為は親に大きな安心感を与え、車を運転できなくて不便だという認識がなくなります。ただ、親と離れて暮らしている場合は、子の世代にとって大きなストレスになる場合もあるでしょう。



子供と住んでいない高齢者は大変!
それでも、いつでも足代わりになれるという認識があるだけで、親の介護予防に非常に良い影響をおよぼしやすくなるのです。
断捨離をできるだけ多く進める
また、親が介護状態になると、それまで何でもなかったことが重く感じられることもあります。例えば、掃除などの家事もそうです。
それまで、すべて親世代が担当していた家事は、親が介護状態になると子がすべて負担しなければならなくなるでしょう。



うちの親もコレクション多いから心配。
そのため、普段から自宅の中の掃除に関心を持つことはもちろん、無駄に保管しているモノなどを積極的に断捨離していくことがとても重要になるでしょう。
モノによってはどうしても処分できない「家族の絆」的なものは例外だとしても、本来価値のあるものでも暦年劣化していくモノなどはできるだけ早く断捨離することで家庭における総合的な負担を軽減することにもつながるわけです。



家族の理解を十分に得ることも必要ね!
すべての親が介護状態になるというわけではありませんが、万が一のための事前の物質的な負担軽減対策は決して怠ってはいけません。
自宅の中を常に模様替えする
そして、上記の断捨離とも大きく関連しますが、自宅の中を常に良い状態にて維持するために、すべての部屋で模様替えを定期的に進めるようにしましょう。



モノが多いと模様替えはさらに必要。
実際、模様替えは高齢者にとっては新しい価値観をビジュアルで発見させられる大変効率的な方法であり、精神衛生的な好影響も含め、健康状態が介護の必要な状態にまで悪化することを抑える働きも期待できるのです。



家の中の風景を変えるということね!
高齢者の多くは思考が凝り固まっていることもあって、目に見える変化を自宅で発見できることは、子供世代もぜひ知っておきたい部分となります。
親の介護状態を予防するための方向性


これまで、親に介護状態に陥らせないための代表的行動パターンを見てきましたが、もちろん、上記のパターンでなくとも予防できる行動は数多くあります。
しかし、いかに親が介護状態にならないようにしていくかという点を考慮した場合、大きく分けて3つの方向性を強く認識すべきでしょう。
親のためだけでなく自分のためという認識
まず、最も基本的な方向性は、いかに親と子が歩み寄って日常生活の中で共存認識を探るかということにあります。
なぜなら、多くの家庭では親が介護状態にならないように様々な取り組みをしているものの、必ずしも上手くいっているところばかりとは限らないからです。



友達は親とあまり上手くいっていないらしい。
多くの家庭では親か子供のどちらかが一方的に我慢したり、総合的な負担を強いられたりするケースが多いとされますが、このような一方的な貢献認識が存在していると、関係性の破綻を招いてしまうことさえもあり、これでは介護状態を予防する以前の問題と言えるでしょう。
そのため、子が親の介護予防対策を採るとしても、結果的に、子にとっても自分のためにしていることと感じられるものでなければなりません。



義務感だけでや取り組むと破綻するかも!
つまり、表面的には親のためにやっている介護予防措置であっても、それは自分自身もそうならないように先に知識を学習しているという認識を持つことが重要で、その結果として親の介護予防もスムーズにストレスなく進められるようになっていきます。
現状の問題解決以外に潜在的問題を予測
そして、介護予防全般にて絶対に欠かせない方向性として、見えている問題の解決だけでなく、見えない将来的な問題を予測するということです。
自身の親が介護状態になるのには、多くの場合、何らかの原因が必ず存在しています。ただ、問題の発覚があまりにも突然であることも多く、結果的に介護状態になってしまうことが避けられなかったというケースもあるでしょう。



常に問題意識を持つということね。
その最たるものが、親の健康状態の微妙な変化。例えば、以前はできた動作も急にできなくなったなど、何らかの重要な要因が体内に隠れていることもあります。



普段から家族にに関心を持っていれば気づきやすいよ!
現在は、ネット上でも高齢化に関わる見えない問題も紹介されていることも多いですし、自身の親に将来的にどのような問題が発生するのかをできるだけ多く予測していくようにすることで介護予防に大いに役立ててください。
他の人の良いやり方を積極的に取り入れ
介護予防で現在も外せない方向性が、他の人のやり方をどんどん真似して自分の家庭に取り入れることでしょう。
上記でも触れたネット情報からの参考にも同じことが言えますが、介護予防は非常に多くの方が悩まれているテーマなのです。



同じ悩みを持つ他人の解決成功パターンは貴重ね。



人に聞く勇気を持つべき!
もちろん、他の人の良いやり方が、自分にそのまま当てはめられるというわけではありませんが、上手くいかない状況の中で、他の人のやり方は自分が考える以上に良いことがほとんどです。そのため、まず多くの人のやり方をとにかく収集することに専念しなければなりません。
対策が遅くなるほど解決が困難に


これまで述べてきた親の介護予防に関することですが、基本は対策が後手に回るほど解決が困難になっていきます。その理由は非常に簡単。子の世代も知らず知らずのうちに高齢化していくからです。
つまり、親の介護予防については、子の世代が若いころから認識し、そして有効な対策を考えて実行していかなければなりません。



一緒に住んでいるからこそ早めに手を打ちたいね。
しかし、家庭によっては親との日常的なコミュニケーションがスムーズにいっていない場合もあり、このような家庭環境ではどうしても対策が遅くなるケースが多いでしょう。



私も普段はあまり親とは話さないな!
まとめ
多くの方に言えることですが、親が介護状態になる状況というのは、子の世代が思っているより早期に訪れることも少なくありません。
ただ、この点を認識している日本人は非常に稀で、若い世代ほどこのテーマを避けようとする傾向にあります。



若い時は重要性に気づかないものね。
また、最近では若年性の認知症も多くなっているだけでなく、女性の更年期障害も比較的若い年代で発症することも珍しくなくなっています。
日本では長寿と健康年齢が著しく乖離していることが近年よく指摘されますが、今後はこの傾向がより顕著になっていくでしょう。
さらに、将来的には統計的に長寿化がより進む一方で、若年層で介護状態に陥る方が多くなる可能性もあります。



もう年齢だけで高齢化を語れない!