
先の見えない今の時代、サラリーマンなら「独立起業」を一度は思い描いた方も多いのではないでしょうか?
独立すると継続的に「業務獲得」と「資金管理」を進めて行かなければならず、そのうち、資金管理は長期的に見れば業務獲得以上に重要な部分となります。

資金管理は経営の命ですね。
複式簿記とは、簡単に言うと「今ある資金を何にいくら使った」という視点と「資金をいくら儲けた、またはいくら損した」という2つの視点を重ねた資金管理手法です。



複式簿記って難しそう!
身に着けるまでがとても苦労しそうと感じる方も多いようですが、実はそのようなことはなく、現在は以前と比べても、かなり学習しやすい環境になっています。ここでは、当方の経験から来る効率的な身に着け方をご紹介しましょう。
会計ソフト直接学習


まず、多くの方が複式簿記を非常に難しく考えがちな大きな理由として、かつての実務の進め方が確実に面倒であったことにあります。
実務での複式簿記にて最も重要なのが「仕訳」という作業ですが、さらに各帳簿への「転記」作業も忘れずに行う必要もありました。
PCのない時代では、実務作業もすべて紙ベースで進められていましたので、一般的に大学の商学部若しくは経営学部、商業高校や専門学校などにおける簿記原理の学習カリキュラムも紙ベースで「仕訳」や「転記」を学習しなければならなかったのです。



手作業では大変ですね。



昔は楽しく習得ができなかったのかも。
しかし、現在は会計ソフトの登場により、基礎的な仕訳ルールやパターンを学習するだけで、誰もがスムーズに複式簿記を進められるようになりました。つまり、会計ソフトを1つの教材として活用できるからです。
仕訳作業だけに集中


会計ソフトによる簿記学習の最大のメリットと言えば、基本的に「仕訳」を集中して進めていれば、簿記そのものが自然に理解できるようになるという点です。
もちろん、同時に典型的な仕訳パターンを型として丸覚えすることも良い方法で、それを繰り返しソフト上で入力すれば頭の中にスムーズに入っていくことでしょう。



仕訳がすべてということですね。
つまり、仕訳内容さえ正確であるなら、簿記原理を学習せずとも、正確な貸借対照表(今ある資金を何にいくら使ったを見る表)と損益計算書(資金をいくら儲けた、またはいくら損したかを見る表)を自動的に作成できる仕組みになっています。



正確に仕訳するだけで随分楽になるね!
また、決算時特有の「決算仕訳」がある場合、「繰越処理」「減価償却処理」など発生することもありますが、特殊なものなので金額が大きくなければ年度末前に特に注意しておけば問題ありません。
簿記検定が形骸化?


さて、会計ソフトだけで複式簿記をより深く学習することが十分可能な状況であるならば、いわゆる簿記検定は、公認会計士などの資格取得を目指す方を除いて、以前ほど意味をなさないと感じます。
簿記検定に合格しても、実践で仕訳ができないという人は実に多く、それであれば、現場で実戦にて仕訳を覚えていくほうがよっぽど会社の役に立てると言えるでしょう。



ペーパードライバーと同じですね。
ただ、簿記検定が良くないというよりは、むしろ、資格ありきの現状が実践レベルを必須とする職場ニーズと完全にミスマッチであることが挙げられます。どんなに、簿記の概念を頭で理解してはいても、実務レベルで役に立たないことには意味がないからです。





会計ソフトってポテンシャル高すぎ!
それでも、簿記検定が完全に形骸化しているのかと言えば、少し言い過ぎかもしれません。社会人になって経理経験を積んでいく中で、自身の業務レベルを形に残しておくことはスキルアップの面からも悪くありません。
まとめ
当方も大学時代に企業管理を専攻していましたので、必須科目であった簿記原理を頭だけで理解しながら学習する苦痛の大きさを当然理解しています。
結局、社会人になってから業務で仕訳を多くこなしたことで、簿記の仕組みがやっと理解できるようになっていった感じでしょう。



実戦で覚えたから良かったですね。
でも、現在はそのような回り道は全く必要ありません。法人を立ち上げる前からでも、会計ソフトを上手く活用するだけで十分な実践的簿記ノウハウを自学できるのです。



本当に物は使いようだね!